2011年10月06日

サルマ二日目

 
 何かよくわからないけど、タルタスという街に来てしまいました。
 仕事道具の槍がありません。
 まあ、無くても踊ることはできますからいいのですが・・・。
 装飾が気に入っていただけに残念です。
 とりあえず護身用の投げナイフは持っていたので、もしもの時はこれで応戦、かしらね。

 あ、私の名前はサネルマと申します。名字は特にありません。
 踊り子をしている19歳です。
 いくつかの国の王宮でダンサーをしておりました。

 何やらこの国は街の外は怪物が出るとのことで、たまたま目のあったエムおじさまと、
ヴェルクさんとパーティを組んでいただけることになっただけでもありがたいです。
 こんな露出の激しい服で女一人での探索はやはり心細いですから・・・。
 優しい方はどんなところでもいらっしゃるものですね。

posted by ちさの at 20:04| Comment(0) | サルマ日記ログ

ミリ2日目


 さて。どこに社会勉強に行こうか。
 俺、ミリオンベル=ジルフェはリビングの大きなテーブルに時空地図を広げる。
 転移陣がひいばあちゃんの世代に開発されてから、数十年。
 転移術が組める者の手を借りれば、自由に別の時空の世界に移動できるようになった。


 それによって交易や観光やらでうちの家族は、転移術をフル活用している。
 うちの親戚の一人、イソトマさんは別の世界で結婚しちゃったしな。
 なんでも俺と同じように社会勉強に行ったで知り合ったんだとか。

 
 ただ、転移術ができる者っていうのはごくごく限られていて、今のところ
研究院やごく一部の商業施設でしか用いられていないのが現状だ。
 ただ、うちは転移術を開発した一族で、転移に必要な精霊との会話というか交信というか、
遺伝的に何か感じ取る力が優れているらしい。
 おかげで家族全員術式があれば転移ができる。至極恵まれている環境育ち、と言ってもいい。


 転移するには魔法陣がいるし、それを作るのってのがまた難解なもんだから、俺はそこまでは
マスターしていない。
 とりあえず家族が作った魔法陣を使って魔法陣のあるところに転移するぐらいしかできない。
 まあ、それは研究院に入ってから修行すればいいと言われてるから気にはしてないが。

 おっと。話がズレた。
 とりあえず俺は社会勉強というか、武者修行に数年行く先を探しているのだ。
 国の義務教育と別時空の高等学校をさくさくジャンプしながら卒業してしまったので、
現役で研究院に入学する年齢より、俺は3学年若いのだ。
 そのまま研究院に推薦入学してもよかったのだけど、お勉強漬けで同世代と絡まずに学生生活を
終わらせてしまうのもなー、と思ったわけで。
 将来的にはうちの魔法薬店を継ぐわけだし。頭でっかちなだけの大人が商売できるとは思えないしな。
 親も同意してくれたので今こうやって探しているのである。


 
 そんな俺に母校から連絡がきた。



 時空地図にない国からの緊急要請が来たので代表で行ってくれないか、と。
 面白いじゃないか。
 必要なものはこちらである程度は用意してもらえるらしいし。
 何もないところに行くよりはいたれりつくせりだな。
 パーティのメンバーは女の子ばかりだけど、別に問題ないだろうし。仲良くできれば問題ないさ。
 俺は二つ返事で承諾した。


 ・・・・・・何か意見したげな妹、アズーロの視線に気づかずに。




  ☆





 着いた。
 ここが、スティルスか。
 活気がある街じゃないか。

 んーっと背伸びする。

 街にいる間は平和だし、買い出しでもするかなー。
 とかのんきに構えてたら。

「ふーん。良い街じゃない」
「!?」
 聞き覚えのある声。冷や汗が出た。
 勢いよく振り返ると、
「アズ・・・」
 両腕を組んだ妹。アズーロがいた。
 最近のティーンズの女の子の間で流行の可愛らしいお洋服に身を包み、持っているバックは
転移用のグッズが入るギリギリぐらいのデザイン優先といった感じのもの。
 明らかになめてる。見知らぬ時空を歩くにはなめた格好だった。
 頭痛い・・・。つい額を手で押さえてしまう。
「どうしてついて来たの・・・?」
 母さんと父さん怒るぞー・・・。
「ミリだけじゃ心配だからでしょっ!?」
 何で怒ってるか意味がわからない。
 とりあえず、優しく諭すことにした。
「ここがどんなところか分かってついてきてる?学校はどうするの?母さんには言ってきたの?
武器も何も持たずに魔法陣だけで来たんだろうけど、何考えてるの?俺にはパーティのみんなが
いるから力を合わせてなんとかするし、剣だってじいちゃんと父さんに教えて貰ってるから
騎士隊の新人試験程度なら受かるぐらいはできるつもりだよ?アズはどうなの?その辺ちゃんと
考えて本当にここに来たの?」
 俺の今できる範囲の優しく、だけども。
「〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
 アズは顔を真っ赤にして泣きそうになってる。
 口はキツイがお兄ちゃん子だから寂しいのはわかるんだけどな・・・。
「〜〜〜〜っ!!知らないもん!!帰ったらいいんでしょ!?お母さんに許可もらったらいいんでしょ!?
お兄ちゃんの馬鹿ああああああああああ!!」
 バシン!と簡易魔法陣を地面に投げつけると、速攻で術式結んでその場から消え去ってしまった。

 ・・・・・・・・・・・・。

 嫌な予感しかしません。
 パーティメンバーの子たちにちょっと心配されてるのを聞き流しながら、俺はその場にしばらく立ちつくしました。









 後日。通信用の手鏡でアズと交信したのだけど。

 ・・・護身用の装備で行くこと、学業を優先すること。街以外は転移しないことを条件に
母さんが許可してくれたそうです。
 あったまいてぇ・・・・。
 ごちん、とテーブルで頭を打ち付けた。
posted by ちさの at 20:04| Comment(0) | ミリ日記ログ